大塚高校陸上部駅伝チームの血液検査データの指標
| あなたは自分の体調を把握したり、試合前の調整段階で疲労の抜け具合を判断するために、何を基準にしていますか?選手本人やコーチの経験や勘も大切ですが、科学的データによる裏付けや専門医との連携が必要になるときもあります。 特に指導者は自分の立てるトレーニングスケジュールに自信を持ちすぎて、選手の疲労を見抜けない時が多いのではないでしょうか? 定期的に血液検査を行って自分の好調時、不調時のデータを把握しておくことが、オーバートレーニングを防ぎ大切なレースに万全な体調で臨むことにつながります。大塚高校では月に1度は検査を実施し体調管理に役立てています。また大きな試合前にはチームドクターの スポーツ内科医の先生と連携を取ってアドバイスを頂いています。 以下の基準値はあくまでも参考にして実際の判断は必ず専門医のアドバイスに従ってください。 |
血液検査データの見方
| 血液検査の値は年齢、性別、体質、採血時の条件等により大きな差が出ます.また、検査した施設や検査方法により正常値に違いがあります.従って、その数値の正しい読み方、解釈には専門知識が必要です.ここに上げている基準値はあくまで参考程度にとどめて必ず専門医の判断を仰いでください。(書物、医療機関、検査機関などによって基準値にはばらつきがあります。) |
★貧血に関係のあるもの
| 検査項目 |
内容 |
一般基準値 |
長距離選手として 望ましい値 |
トップアスリート目標値 |
| 赤血球数(RBC) |
血液中に酸素や栄養を運ぶ働き。 |
男450〜560 万/μl 女380〜500 |
男500〜 女450〜 |
男550〜 |
| 白血球数(WBC) | 白血球は、一般に細菌などの感染により身体の中に炎症が起こると増加します。スポーツ選手においては 肉離れ、筋膜炎、骨折などの外傷によっても数値が上がります。 |
33〜90 万/μl | 35〜97 | |
| 血色素数(HB、ヘモグロビン 濃度) |
血液中に酸素を運ぶ働き。 この数値が低いと貧血であり運動中に呼吸が苦しくなり持久力が落ちる。 |
男13.8〜17.5 g/dl 女12.0〜15.5 g/dl |
男15〜 女13〜 |
男16.5 女14.5 |
| ヘマクリット(HT) |
血液中の赤血球の占める割合。 |
男37〜53% 女35〜45 |
男45〜 女41〜 |
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| 血清鉄(Fe) |
血しょうの中でトランスフェリチンと呼ばれるタンパク質と結合して運ばれる鉄。 |
男60〜180 μg/dl 女50〜160 |
男180 女150 |
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| フェリチン |
貯蔵鉄、肝臓、膵臓、骨髄で保存される鉄。鉄の貯金量。これが減ると回復に数ヶ月かかる。 | 6〜167 ng/ml |
20〜 |
100〜400 |
| MCH(平均赤血球血色素量) |
低色素性貧血かどうかを調べるもの。 |
28〜34 mg/ml |
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| MCHC(平均赤血球ヘモグロ ビン濃度) | 数値の低い人は多汗の人が多く練習や試合中こまめに水分補給を心がける。 | 31〜35 % |
男34〜36.4 |
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| MCV(平均赤血球容積) |
数値が高いほどストレスが大きい。格闘技系など激しいスポーツでは数値が高い。良質の鉄分とタンパク質を摂取することで数値は低くなる。本番に強い選手は数値が低い? |
85〜100 fl |
男85〜100 |
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| ※MCV、MCH、MCHCが低値を示している場合、鉄欠乏状態が疑われます。 | ||||
| 検査項目 | 内容 | 一般基準値 |
トップアスリート目標値 |
| HDLコレステロール | 俗に善玉コレステロールと呼ばれ、動脈硬化を防ぐ作用がある良いコレステロールです。 継続的な運動トレ−ニングで値は上昇します。これはスポーツによって得られる利点の一つです。スポーツ選手においては持久力の指標にもなります。値が低いと持久力がないといえます。 |
男40〜99 女40〜77 mg/dl |
男60〜 女55〜 |
| 尿素窒素(UN) | 尿素窒素は腎臓機能の指標になります。腎臓の機能が低下すれば上昇します。尿素窒素は脱水、消化管出血などでも上昇します。スポーツ選手においては全身の疲労度を知る指標の一つです。値が高いと疲労度が高いと考えられます。 | 8〜22 mg/dl |
8〜20 |
| CPK | 筋破壊によって値は上昇する。値が高いと筋疲労。スポーツ選手は練習後は一般基準値より高い値を示す傾向にあります。合宿後半はかなり値が上がります。試合前の調整期には値を落とす必要が有ります。 CPKを研究されておられる新畑茂充先生によると基準値より少し上限の300くらいまでならOKであるということです。500を越えると、中程度の疲労で調整しないと試合での好成績は望みにくいでしょう。700から800になると、試合では相当期間を取って、練習をかなり落としてレースに臨まねばなりません。1000以上になると、そのまま練習を続けると、確実に故障すると言われています。 数字に縛られる必要はありませんが、合宿の後と、大きな大会には検査を受けておく方が望ましいでしょう。 |
男子38〜196 IU/l 女子30〜172 IU/l ※検査方法が2種類ほど有り、検査を実施した検査機関が示す基準に従うこと。 50〜244が基準とする場合もある。 |
〜230 |
| 総タンパク(TP) | アルブミン、グロブリンなどの、血漿蛋白質のすべてを総称して総蛋白といいます。低値の場合の主な原因としては、アルブミンが低下する栄養障害・肝臓疾患・蛋白質の失われる疾患(ネフローゼ症候群、出血、蛋白漏出性胃腸症など)があります。蛋白高値の場合は、脱水、慢性の感染症、ある種の自己免疫疾患、骨髄の病気などの可能性もあります。 数値が低いと栄養失調で筋疲労も取れません。練習量に食事量が追いつかなかった合宿後などに、この値が下がっていることがよくあります。 |
6.5〜8.3 g/dl |
7.5〜8.0 g/dl |
| 基準値は、いつも行っている血液検査の検査データ用紙に示されているものや、内科医の先生から頂いた資料を参考にしました。 トップアスリートの目標値は、「スポーツ栄養バイブル」(平石貴久著:池田書店)と「スポーツ科学バイブル」(高畑好秀総監修:池田書店)を参考にさせていただきました。 |